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日本人の知恵詰まった高級桐たんす

貴重な物を守る桐たんすの良さを知ってもらおうと、岸和田市の田中家具製作所が、「たんす預金専用」の手頃なサイズで、開けるための仕掛けが施されたカラクリたんすを開発した。泉州伝統の桐たんす製作は、海外の安価な木材の流入に、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が加わり、存続の危機にある。同社は「伝統技術による本物の桐たんすに関心を持ってもらいたい」と願っている。

田中家具製作所は今年で創業101年を迎え、社員10人のうち5人が伝統工芸士に認定されている。木目の細かい丈夫な桐の無垢(むく)材を、かんなや手組みで精密に加工し、気密性の高い桐たんすを作っている。

桐は湿度に応じて膨張・収縮するため、収納した着物などが湿りにくい。虫がつきにくく水や火にも強いため、昔からたんすに利用されてきた。江戸時代から商家が多かった大阪に近い泉州には桐たんすの産業が集積。

市などの協議会が運営する経営相談所「岸和田ビジネスサポートセンター Kishi-Biz(キシビズ)」に相談。「現代の生活に合わせ、現金や書類、時計などの大切な物を手軽に保管できる桐たんすで魅力をPRしては」と提案を受け、「たんす預金専用桐たんす」を開発した。

インターネット上で資金を集めるクラウドファンディング「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」で28日まで同社への寄付金を募集し、50万円以上の寄付があった場合の返礼品として提供する。15万円以上の場合にはサイズがさらに小さい「ライト版」を用意している。

 

 

 

たんす預金専用 日本人の知恵詰まった高級桐たんす 2020年08月27日(産経WEST

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