鍛冶から転身、フランス人ガイド
堺市の堺伝統産業会館。2階の堺刃物ミュージアムではフランス語や英語が飛び交う。フランス人のエリック・シュヴァリエさん(30)の話を聴きに来る欧米人が後を絶たない。自ら刃物職人として修業した体験を生かしながら、日本の食材や文化、歴史の知識を総動員して語る。
エリックさんは2018年春から、堺市の外郭団体で同会館を運営する堺市産業振興センターの「海外需要開拓 コーディネーター」を務めている。
エリックさんが書いたフランス語のブログを見て来館する人も多い。2階の販売用刃物の売り上げは19年度に約8800万円となる見通し。前期比で7割増、16年度の2.2倍だ。SNS(交流サイト)の普及や和食ブーム、百舌鳥(もず)・古市古墳群の世界遺産登録など追い風も吹いた。
今はインバウンド(訪日外国人)のコーディネーターとして、和歌山県の世界遺産である高野山へ行き、外国人に堺をPRする活動もしている。
堺の魅力は何か。「人が少なくて静か。京都ほど美しくないが、中身がある。歩くだけで線香や鉄の匂いがする職人の街。観光臭さを嫌うフランス人好みだと思う」
堺の刃物発信 鍛冶から転身、フランス人ガイド 2020年03月02日(日本経済新聞)
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