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「環濠都市」の町家減少

中世から交易で栄えた堺市は、堀で囲まれた「環濠(かんごう)都市」として北部地区に多くの町家が残ることでも知られている。しかし市によると、2014年度に300軒近くあった町家が、約4年間で1割以上減った。所有者の高齢化に伴う維持管理の難しさなどが背景にあるとみられ、地元の住民は「町並みを守る取り組みを強化してほしい」と訴えており、市は地元と協力して景観などの規制を検討することを決めた。

堺市の環濠都市は、室町時代から海外交易で栄えた自治都市として知られる。1615年、大坂夏の陣の余波で豊臣方に焼かれたが、江戸時代に復興。その後、第二次世界大戦で空襲を受けたが、戦火を免れた北部地区には、江戸初期の国内最古級の町家など古い家が多く残った。市は2011年、景観計画で北部地区を重点地域に指定し、15年からは既存建物について、伝統的な町並みに合わせて景観を整備する「修景」に補助金を出している。

しかし今、町家の減少が進む。市は11~14年度、約2800世帯が住んでいた北部地区を調査、281軒の町家を確認していた。しかし、今年4~8月に再調査すると、取り壊しや建て替えなどで36軒が失われ、245軒になっていた。市は、所有者や子孫が老朽化した建物を直して使い続けるのを敬遠する傾向があるとみている。

さらに今年は、9月に大型台風が来襲。町家が被害を受け、江戸時代に鉄砲鍛冶が営まれた市指定有形文化財の町家も、屋根の一部が落ちるなどの被害を受けた。台風で一部が壊れた町家に住む高齢女性は「子孫に古い家をそのまま残してほしいとは言えない」と話した。

「環濠都市」の町家減少 背景に高齢化 大阪・堺 2018年12月15日(毎日新聞

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