特別展・堺緞通ものがたり
中国から日本に伝来した手織りの敷物(絨毯(じゅうたん))・緞通(だんつう)は江戸時代を起源に、近代にかけて盛んに生産された。堺周辺で生産された堺緞通は、鍋島(佐賀)・赤穂(兵庫)とともに「日本三大緞通」として有名だ。
堺の糸物商が中国製の絨毯や先行していた鍋島緞通を手本に、1831(天保2)年に織らせたのが始まりとされる。明治に入って製織技術・効率を上げて飛躍的に発展。ピーク時には堺周辺で90もの業者が緞通工場を営んでいたという。
会場には、さまざまなデザイン、配色、技法の妙がうかがえる堺緞通を中心に約80点を展示。鍋島、赤穂の緞通も陳列され、日本の緞通の歴史を学ぶことができる。
木綿製の1畳敷が日本の緞通の基本だが、堺緞通は麻や羊毛、絹などさまざまな素材を使い、大型のものも多数生産。高級品から廉価品まで取りそろえ、輸出にも力を注いだ。多様な“商品展開”は、「商・ものづくり」の街のなせる業なのだろう。
特別展・堺緞通ものがたり 手織り緞通の技と商い 2017年10月23日(毎日新聞)
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